底抜けの明るさや想像力豊かな表現力、それこそがスペインのお祭≪フィエスタ≫の醍醐味。一年を通して各地で開催される数々のお祭行事は、参加者だけでなく見る者をも虜にしてしまいます。大部分のお祭が宗教に関連しており、古い歴史、文化、伝統につちかわれた郷土色豊かな行事が多いのが特徴です。特色のある祭は「観光行事」にも指定されており、中にはスペイン内外に名の知られているものも多くあります。中でもスペイン三大祭りと呼ばれるバレンシアの「サン・ホセの火祭り」、セビリアの「春祭り」、パンプローナの「サン・フェルミン祭(牛追い祭)」には世界中から多くの観光客が足を運びます。


サン・ホセの火祭り (FALLAS DE SAN JOSE) 2005年3月12日〜19日 バレンシア
スペイン三大祭りの一つ、サン・ホセの火祭りが地中海に臨む都「バレンシア」で華々しく催されます。これは街々の各広場を数百の張子人形で飾り付け、3月19日のサン・ホセの夜に全て焼き払ってしまう祭りです。
サン・ホセとは、スペイン語で”聖ヨセフ”つまりイエス・キリストの父親の事。職業が大工だったことから大工職人達の守護聖人として祟められています。昔からサン・ホセの日に古い材木や木屑などを集めて大きな焚き火をする習慣が大工達の間で受け継がれていましたが、ある日、張子の人形を火の中に投げ入れたのが周囲の人々に面白がれ、それがきっかけとなり色々な人形が作られるようになりました。現在では1年も前から競って構想を練り、飾り付けも凝った風刺のきいたテーマが取り上げられるようになりました。「ファヤ」と呼ばれるこの人形は大小とりまぜて計600にのぼり、バレンシアの街々を埋め尽くします。
毎夜午前零時には大規模な仕掛け花火が打ち上げられ、人々は夜が白々と明ける頃まで飲み歩きます。最終日19日のサンホセの夜には小さなファヤから次々と火がつけられ、20日午前1時にバレンシア広場の巨大なファヤが炎に包まれると火祭りは閉幕、これをもって本格的な春の訪れとなります。
セビリアの春祭り(FERIA DE ABRIL ) 2005年4月12日〜17日 セビリア市内
スペインの春は祭りで明けます。その中でも一段と華やかでスペインのイメージを代表するかのような祭りが、「セビリアの春祭り」です。例年、聖週間が終わり、一段落した時期にこの祭りが催されますが、聖週間が厳かな宗教祭であるのに対して、春祭りは純然たる庶民の祭りです。
元来、130年ほど前からセビリアで大々的に開かれていた牧畜市に端を発しています。数日続く牧畜市の会場にテント小屋がたくさん出来、牧畜関係者は家族共々そこで寝泊りしていました。
それが、年を経るにつれて、食べたり、踊ったり、ゲームを楽しんだりして時を過ごすようになったのです。これが発展して、牛馬の方は二の次で、娯楽に興じる事が主になってしまったのが現在の祭りの原型です。
今日では、祭りの会場となる大通りに何百というテント小屋が並び、昼過ぎから会場近辺には馬上姿も凛々しい男性が、水玉模様も鮮やかな民族衣装をまとった女性を後ろに乗せてパレードする光景が見られます。フリルがたっぷりの衣装はとても華やかで、セビリア女性は老いも若きもこの日を待ちわびて町に繰り出します。
夕方、祭りの会場は一旦、ラ・マエストランサ闘牛場へ移り、ここでは花形闘牛士達が晴れ舞台に挑みます。人々は闘牛士の妙技に酔いしれ、その熱気はそのまま再び祭りの会場へと流れていきます。
イルミネーションで飾られたテント村は、光の海と化し、テントの中ではフラメンコ音楽が鳴り響き、人々は夜が更けるのも忘れて飲み、歌い、騒ぎ、陽気なスペイン気質を大いに発揮するのです。
馬祭り FERIA DEL CABALLO 2005年5月1日〜8日 ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ
優良馬の生育地として有名なヘレスで、毎年5月上旬盛大に馬祭りが開始されます。この日の為に一年間訓練を積み重ねてきた馬術師達は、連日開かれる馬術競技大会で技を競います。
中でも、馬車によるレースは高度な技術が要求される人気種目です。又、馬の優雅さや馬具装飾も審査の対象となります。
夕方からは町の中心に設けられた仮設テントでシェリー酒が振舞われ、これにフラメンコが加わり、町は夜中まで熱気に包まれます。
同時に、特別に調教された馬が雄牛を相手に活躍する闘牛や13世紀から家畜市として発展してきた大規模な畜産見本市なども開かれます。
パティオ祭り 
FESTIVAL DE LOS PATIO CORDOBESE
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2005年5月4日-15日 コルドバ市内
古い歴史を持つコルドバの魅力は、街の中心にある荘厳な回教寺院、メスキータ、白壁の家並みと迷路のような路地。
花の咲き誇る5月になると家々の中庭やバルコニー、小格窓などが鉢植えの花や観葉植物で埋め尽くされ、その美しさを競います。パティオ祭りはこうした町の伝統に培われ、育成期もの間、開かれてきました。
1週間の祭り開催期間中は、毎晩、パティオコンクールに参加した家々でアマチュアのフラメンコ舞踊団が歌と踊りに興し、大勢の見物人で賑わいます。
この中から最も美しいパティオを持つ6軒が選ばれ、賞が送られます。又、会期中にはフラメンコの公演が繰り広げられ、3年に1度、同時開催される「フラメンコ芸術全国コンクール」から秀れた新人アーチストが誕生しています。
サン・フアンの火祭り HOGUERAS DE SAN JUAN 2005年6月2日〜24日 アリカンテ
夏至の時期にあたる6月24日は、イエスに洗礼を授けた聖ヨハネ(サン・フアン)の日としてスペイン全土で様々な行事が行われます。バレンシア州には火と水が主役になった祭りが多くありますが、アリカンテではその昔、夏の到来を祝いサン・フアンの前日6月23日の夜、人々はツナと玉ねぎ、松の実入りのパイを持って畑へ出向きそこでたき火をし、その周囲で踊ったり、ロケット花火などを上げたりしながら賑やかに過ごす習慣がありました。 この習慣が1928年祭行事として指定されて以後 「サン・フアンの火祭り」として盛大に祝われるようになりました。現在は祭りの数日前から連日パレードが繰り出し、浜辺には仕掛花火が上げられます。又、市内各所にレバンテ地方の農村特有の家屋「バラッカ」を型どった小屋が設置され、そこで食事や酒がふるまわれます。そして、火祭りの主役となる木材や段ボール、布切れで出来た風刺人形が町の随所に据え置かれます。この風刺人形はバレンシアの火祭りと同じくコンクールにかけられ、最も優れた作品幾つかを除き24日のサン・フアンの夜かがり火で全て焼かれてしまいます。又この他、祭期間中はコンサート、スポーツイベント、有名闘牛士を迎えての闘牛も開催されます。
サン・フェルミン祭 FIESTA DE SAN FERMIN 2005年7月7日〜14日
(6日 開会式)
パンプローナ市内
マドリッド北東約400Km、フランスとの国境に近いナバーラ県都パンプローナでは夏の到来と共に、勇壮な「牛追い祭り」として知られるサン・フェルミン祭が開かれます。 パンプローナの守護聖人サン・フェルミンの日にあたる7月7日から1週間にわたり催されるこの祭りの起源は古く、400年前の記録にも残っており、スペインと闘牛をこよなく愛した文豪へミングウエイの小説 「陽はまた昇る」によって全世界に紹介されました。
7月6日正午前、パンプローナ市庁舎前広場は、白い衣装と赤いスカーフの地元市民らを始め、スペイン各地や世界各国からの観光客で埋め尽くされます。正午の鐘と共に、最初のロケット花火が打ち上げられ、祭りの開会が宣言されます。午後から夕方にかけては、巨人人形を伴った音楽隊のオープニングパレードが行われ、カスティーヨ広場では盛大な民俗舞踊会が繰り広げられます。夜が深まる頃には、豪華な打ち上げ花火で祭りの開会を祝います。
翌7月7日 この祭りのメインイベントとなる 「牛追い」 が朝8時きっかりにスタートします。期間中連日繰り返されるこの牛追い・闘牛の他、民俗舞踊・音楽コンサート、フェスティバル、パレード等盛りだくさんのイベントが組込まれています。又、最近日本でも取り上げられる、力自慢の丸太切りなどのユニークなスポーツ大会 (日本ではバスクスポーツとして知られる) も開催されます。人口18万人のこの町は、この時ばかりは250万人の賑わいを見せます。
トマト祭り LA TOMATINA 2005年8月24日 ブニョール(バレンシア地方)
スペイン地中海沿岸の都市バレンシアのから約50Km西に入った小さな町ブニョール(BUNYOL)で、毎年8月後半に"トマティーナ"と呼ばれるトマト祭りが行われます。 祭りが近づくと、人口約1万人足らずのこの町はスペイン各地からだけでなく、世界各国から集まった観光客で3倍近くにも膨れ上がります。 ブニョール市役所はこの日の為に7台のトラックに山積みにされた約140トンのトマトを用意し合図を待ちます(1999年の例)。12時(正午)、一発の号砲 (花火)を合図に、ブニョールの広場を中心に、各狭い通りをも一杯に埋め尽くした人々は、一斉にトマトを投げ始め、相手構わず投げ合うトマトバトルが街中で繰り広げられ、あっという間に人間はもちろん、通り、建物など全てが赤く染め上がります。 このトマト祭りを一目見ようと遠巻きにしていた観光客も、気が付けば手近のトマトを掴み自分も立派な参加者になっているという光景も珍しくありません。
開始から約1時間後、2回目の合図でトマトバトルは一斉にピタリと止み、同時に現れた市の職員達の強力な散水ホースで街中が洗い流されます。それは正に見事の一言で、約1時間後には何事もなかったかのように街は元通りの姿を取り戻します。又、仮設シャワーも設置され、トマトまみれの人間達を洗い流します。
トマティーナに参加するには?
起源はさておき、このトマティーナは、その他の宗教行事や祭事のように伝統を重んじるものではない為、外部からの参加者も大いに歓迎され、それに伴って、トマトの量 参加者も年々増え続けています。ただし、参加者は次のルールを厳守する事!
  • 瓶等の危険物は持ち込まない
  • Tシャツを破らない
  • トマトは投げる前に適当につぶす
  • トマトを摘んでくるトラックには十分注意する
  • 終わりの合図を厳守する (時間外には1個のトマトも投げない)

    その他のトマティーナの見所は?
    正午12時の合図を待つ間、広場ではPALO JABON と言われる棒上り競争があります。石鹸で十分に濡らされた棒に上る競争で、棒の先にはトロフィーの代わりに生ハムが用意されています。

    ブニョールに行くには?
    バレンシア北駅から近郊線C3番の電車で約45分 1時間に1本電車がでています。又は、国道A-3で行くことができます。ブニョールには宿泊施設がほとんどありませんので、バレンシアを基点することをお勧めいたします。
リオハの収穫祭 FIESTAS DE LA VENDIMIA RIOJANA 9月20日〜26日 ログローニョ(リオハ)
エブロ川流域の低地一帯をリオハと呼び、この地域の守護聖人サン・マテオの日にあたる9月21日とその前後1週間は
ちょうど葡萄の収穫期、リオハ県の首都ログローニョでは、盛大なワイン祭りが開かれます。
伝統行事である葡萄踏みが行われ、民族舞踊・音楽が拾うされる他、スポーツ競技、闘牛も同時に開催されます。